50歳からの足育には、靴も必須です。
私たちは、良かれと思ってやってきたことが、実は逆方向だったということを、沢山乗り越えてきました。靴選びの中にも、そういった事が沢山あります。一般的に靴を履く習慣が広まったのは、戦後からといわれています。まだ最近のことで、足に優しい靴の情報は、発展途上ですから、しかたありません。さて、もうひと踏ん張り乗り越えてみましょっか。

- 幅は広めで、見た目はズングリでなく、おでかけにも履ける靴
- 柔らかく伸縮性もあって、足がどこも痛くない靴
- 軽い靴
- 当らないように、大きめの靴
- サッと履けて、サッと脱げる靴
- EE、EEEの靴
- 日本人の足型に合っている靴
- お隣の奥さんと同じ靴
- 素敵な同級生と同じ靴
- 外反母趾用の靴
- O脚やX脚用などの矯正
- プロが選んだ履かなくてもわかる靴
- 孫の靴は、孫に聞く
- 靴サイズはアウトソールで判断する
- 踵に人差し指1~2本のスペースの丁度良い捨て寸の靴

「幅は広めで、見た目はズングリでなく、お出かけにも履ける靴」
外反母趾だとか自分は幅広の足だとか、色々と思い込んでいると、MTP関節の広い靴を求めたくなります。「お洒落は足元からですし、大人らしく少々エレガントに見せる、爪先に向かって細くなっている靴を選びましょ。」といったパターンです。
これは、足幅をさらに広げてしまう選び方なのです。
外反母趾や、足裏のタコ、巻爪の原因になりかねませんので、選び方を変えていきましょう。
「柔らかく伸縮性もあって、足がどこも痛くない靴」
これは、足型に合っていないけれど、柔らかく伸びるから履けてしまうだけという場合もあります。「足に合う靴がないから、柔らかく伸びれば履けるのよ。」となってしまったら、いけません。例えば外反母趾ですが、柔らかく伸びると、変形は悪くなる方向へ向かうといわれています。
柔らかすぎる靴には、足をしっかり支え保護するパーツが、必要な基準を満たしていないことが多いそうです。
膝や腰のトラブルの原因になりかねませんので、選び方を変えていきましょう。
「軽い靴」
よく手で持ってみて「わぁ軽い!これなら楽に歩けるわ。旅行にピッタリ。」など耳にしますが、本当に歩いた時に軽く感じるのでしょうか。軽い靴の始まりは、バレエシューズやカンフーシューズのように足を高くあげるような競技用だったそうです。歩くための靴は振り子の役目もしますので、ある程度の重さのある方が歩きやすいものです。足に合わない靴も、重く感じます。
また、軽すぎる靴は、身体を支え切れず早く潰れてしまい、膝や腰に負担がかかります。
靴の重さは、手ではなく足で測りましょう。
軽い靴は、痛みや擦り減り、型崩れ等もしやすいので、気を付けましょう。
「当らないように、大きめの靴」
既にフィットしていないと判っていながら、選びたくなるのは、やはり、外反母趾や巻爪などのお悩みがあるからです。けれどこの靴は、踵が緩く脱げやすいので、歩きにくいのです。

かえって当たりやすくなりますので、選び方を変えていきましょう。
「サッと履けて、サッと脱げる靴」
玄関での時間削減だそうですが、脱ぎ履きの時間と、履いて歩く時間では、どちらが長いのでしょうか。スリッパやサンダルで長距離を歩くと仮定すると、想像しやすいです。無意識のうちに、脱げないようにつま先で靴を引っ掛けるという動きが加わりますので、余分な力を使って歩くことになります。
とても疲れやすくなりますので、選び方を変えていきましょう。
履く時に「面倒くさい」、履きにくい靴の方が、歩きやすく疲れにくいことが多いのです。使うべき筋肉を、お休みさせず、使っていきましょう。
「EE、EEEの靴」
この表記はJIS に基づく靴サイズの足囲を表します。足型には、足長や足囲、足幅の他に、肉付き・甲やアーチの高低・左右差・1日の大きさの変化など、沢山の個人差があります。履き心地やデザインの好みも変化します。素材の硬軟・メーカー表示の考え方など、靴自体の要素もあります。
表示は目安として考えましょう。
似ている例
「日本人の足型に合っている靴」
日本人の足型は、例えば爪先タイプではエジプト型が多いそうす。その統計から沢山の工程を経て、私たちの手元に靴が届きます。商品が届く頃に、消費者は既に先を行くといわれています。実際に年齢にしたがってギリシャ型も増えているようです。
「お隣の奥さんと同じ靴」
だからと言ってあなたの足に良いとは・・・。

「素敵な同級生と同じ靴」
だからと言って素敵に見えるとは…言い難いかもしれません。

足は手よりもバラエティに富み、同じ足の人はいないのだそうです。
「外反母趾用の靴」
外反母趾にも色々なカタチがあります。母趾のどのあたりが、どの程度外反しているのか。それに伴う筋腱類はどうか。母趾以外の骨は。などなど。
必ず合っていると考えてしまうとしたら、選び方を変えていきましょう。
「O脚やX脚用などの矯正」
O脚やX脚も、靴やインソールで治るものではないそうです。矯正効果のある靴やインソールを履いて、かえって膝や腰に痛みが生じるといった悪影響が出ることもあります。
自分の足への思い込みや素人判断は、すぐに変えましょう。
「プロが選んだ履かなくてもわかる靴」


お試し履きをして、店内を歩き確かめましょう。
「孫の靴は、孫に聞く」
子どもの神経系は発展途上であるため、当たっているのかどうか、自分ではうまく確認できないものです。多くの子どもたちが短い靴を履いているため、その靴を「合っている」と勘違いしていることも多いのです。子どもにはまだ、合っているとはどんな状態なのか判断ができないのです。子や孫に伝えるためにも、まず、ご自身が靴の履き方を見直す時なのかもしれません。「歩きやすい」と答えれば、その靴を買ってもらえるというような習慣づけにならないように気を付けましょう。

「靴サイズはアウトソールで判断する」
例えば、フランスサイズ26の靴の内部の長さを測ったところ、24だったそうです。靴によって、捨て寸もまちまちですし、フレアなアウトソールもあります。靴の外側の長さから、内部の長さを推し量っても、足に合っている靴サイズかという情報は得られないようです。
「踵に人差し指1~2本のスペースの丁度良い捨て寸の靴」
昔はこうしてサイズの目安を立てたものです。靴を履く時に、爪先をトントンとするのも、下駄の履き方の名残りかもしれません。踵に指を入れるときに、足趾は曲がりやすく、目安は立てにくくなります。足趾を縮めた姿勢で履く靴を選ぶことになってしまうと、第二の心臓も動かしにくい姿勢で歩くことになります。
冷え性やむくみの原因にもなりかねませんのでので、変えていきましょう。
いかがでしたか?



おとなの足育に、四季の散策もオススメ。初夏から元気なダリアたち。